訪問入浴介護って一体どんな仕事なの?
情報が少なすぎて・・・
どこかにまとめてくれる記事があれば助かるんだけど。
こんな質問にお答えします。
私たちは訪問入浴介護事業所で働く夫婦です。(出会いも訪問入浴)
訪問入浴介護をひろめて働く人や利用者を増やしたいと思いブログを立ち上げました。
無資格・未経験で訪問入浴オペレーターにパートとして入社しました。
現在は実務者研修の資格をとり、正社員となって管理者として働いています。
初任者研修の資格を取ってパートでヘルパーとして入社しました。
先輩の看護師に憧れて看護学校に行くことを決意。
看護師になり、臨床経験を経て訪問入浴に戻ってきました。
介護の仕事の中でもかなり特殊な存在の訪問入浴。
インターネットで検索しても、たいした情報がなくお困りではないでしょうか?
僕は祖母が訪問入浴介護のサービスを利用していました。
なので、なんとなく訪問入浴というものをわかっていましたが、世間の認知度はかなり低い仕事です。
実際に、介護の仕事をしている人も名前は聞いたことがあるけど仕事内容まではわからない。
ケアマネージャーですらサービス内容を把握していないこともあるくらいです。
- 訪問入浴介護のサービス内容
- 訪問入浴介護の仕事内容(職種別)
- 訪問入浴介護で働くメリット・デメリット
- 訪問入浴介護の仕事はきつい?
訪問入浴介護とは自宅のお風呂に入れない人を特殊な浴槽を使用して入浴介助をするサービス
訪問入浴介護の特徴
訪問入浴介護は入浴に特化した訪問介護サービスです。
自宅での入浴が困難な人を対象に、介護職員2名・看護師1名が自宅に訪問し、特殊な浴槽を使って寝たままでも安心・安全に入浴することができます。
実際にどのような方が訪問入浴サービスを利用しているのか確認してみましょう。
- ベッドで寝たきりの高齢者
- 身体的な障がいを持っていて自宅のお風呂での入浴が困難な人
- 自宅に浴槽がない・またげない人
- 浴室の椅子に座っていられない人
- お風呂場まで移動できない人
この他にも住居環境や、身体状況で入浴することができない人がたくさんいます。
そのような人とその家族の「お風呂に入りたい」「お風呂に入れてあげたい」という願いをかなえることができるのが、訪問入浴です。
訪問入浴サービスは、入浴車と呼ばれる湯沸かし器をつんだ特殊な車で専用の浴槽を持って訪問します。
- 利用者さんのベッドの近くや、隣の部屋に浴槽を設置できる
- 移動が簡単で、入浴後すぐにベッドに戻って休める
- 看護師同伴なので、健康状態のチェックができる
- 循環が良くなり、褥瘡の治りも良くなる
- リフレッシュになる
- 個人に合わせた入浴ができる
入浴介助とのちがいはなに?
入浴介助とは、訪問介護サービスのひとつです。
訪問ヘルパーは1人で利用者宅を訪問し、ご自宅のお風呂場で入浴介助を行います。
- 歩行、車椅子などで自宅の浴室へ移動できる方
- 浴室用の椅子に、座っていられる方
訪問入浴介護の職種別の仕事内容
事業所によってそれぞれの役割が変わることがあるので事前に確認することをおすすめします。
- オペレーター
- 看護師(准看護師でも可)
- ヘルパー(ケアエイド)
オペレーター
オペレーターの役割
- 入浴車の運転
- 浴槽の搬入
- お湯出し
- 利用者の移動のお手伝い
- シーツ交換・浴後の着替えの準備
オペレーターの役割は上記の通り。
荷物を運んだりお湯を出したりと、利用者さんに直接関わることが少ないのが特徴。
慣れてくると入浴中にシャワーをかけてあげたり、足の指先をこすったりする場面も。
介護の仕事を始めるにはうってつけの仕事で、給料は介護福祉士の資格持ちと同水準。
無資格・未経験での応募も多くあります。
オペレーターの特徴
- 資格がなくても働ける
- 介護技術はあまり重要ではない
- 力仕事が多い
- 男性職員が多い
- 給料が高い
事業所によってオペレーターの仕事内容は違います。
1番の特徴は介護技術はあまり必要がないところです。
実際に入浴介助をするのはヘルパーや看護師の役割の場合がほとんどです。
理由は、女性は男性に入浴介助をしてもらいたくないもの。
年齢がいくつになっても同じです。
逆に男性が女性に入浴介助をされるのにそこまで拒否がないのが現状です。
浴槽の搬入や、利用者を浴槽まで移動させたりと力仕事が多いので男性職員が多いのもオペレーターの特徴です。
ですが、最近では女性オペレーターも増えてきています。
また、訪問入浴オペレーターの仕事は給料が高いです。
夜勤なし・日曜日定休・完全週休2日制など働きやすく、無資格でも国家資格である介護福祉士並みの給料水準となっています。
看護師
看護師の役割
- 利用者の健康チェック
- 衣類の着脱
- 入浴介助
- スキンケア・処置
看護師の役割は、主に利用者の健康状態や身体状況のチェック。
訪問入浴介護の利用者は要介護度の高い方が9割。
看護師がいることで安心して入浴することができます。
浴前・浴後のバイタルチェック、着脱、入浴中に皮ふ状態の観察をします。
あらかじめ主治医から入浴可否の数値の指示をもらっているのでその数値や病状、本人や家族の希望を聞いて判断します。
浴後は、スキンケアと軽い処置をします。
訪問入浴介護はあくまでも介護の仕事なので、医師からの指示がなければ医療処置をすることができません。
体の大きい利用者などひとりでは介助が大変な場合も、ヘルパーと2人でするので安心です。
看護師の特徴
- 新卒・未経験でも勤務可能・臨床経験不要
- 夜勤がない
- 給料が高い
- 派遣が多い
- 副業として働きやすい
訪問入浴介護の看護師は新卒・ブランクのある方でも安心して働くことができます。
なぜなら看護師ではないですが常にヘルパーが一緒に着脱・処置などをしてくれるから。
臨床経験はあったほうが若干有利ではありますが、なくても特に問題はありません。
あくまでも介護の仕事なので複雑な医療行為をすることはできません。
その点でも新卒・ブランクのある方でも働きやすいのが特徴的です。
また、他の在宅看護師と違って利用者宅に訪問するのに家の場所を覚えたりする必要もないのもうれしいところ。
雨の日や猛暑の日でも入浴車に乗っていれば利用者宅につくので楽ちんです。
訪問入浴サービスの仕事に夜勤の仕事はありません。
正社員はもちろんパートでも時給2000円以上の求人があり、派遣で単発の求人が多数あるので副業として働く人も多いのが特徴です。
ヘルパー(ケアエイド)
- オペレーターと一緒に浴槽の設置をする
- 看護師と一緒に利用者の入浴介助・着脱のお手伝い
- 入浴で使用する備品の補充など
訪問入浴ヘルパーはオペレーター・看護師そして利用者さん、介護者さんのヘルパーといった感じです。
みんなのことをサポートする重要な役割です!
浴槽を設置するときはオペレーターと、着脱などが大変な利用者さんの場合は看護師のヘルプに入ります。
臨機応変に立ち回るスキルが必要です。
事務仕事はとくにありません。
事務所ではシャンプーやボディソープの詰め替え、防水シーツの洗濯などをヘルパーの仕事にしている事業所が多いです。
- 資格がなくても働ける
- 看護師と一緒に着脱をするのでスキルアップができる
- 一人きりで利用者に関わる場面がない
介護資格がなくても働くことができますが、直接利用者さんに関わることも多いので資格は取得することをおすすめします。
利用者さんと関わるときは常に看護師と一緒なので安心して働くことができますし、看護師に色々なことを教えてもらうことができるのでスキルアップにも繋がります。
介護と看護って考え方が違ったりするのでとても勉強になります。
訪問入浴介護の1日の流れ
出勤したら備品の確認や利用者さんの申し送りを行います。
1件目のお宅に間に合うように出発します。
午前中は2件~3件の訪問が多いです。
昼休憩は近ければ事業者で、戻れそうになければ外食をすることもあります。
コンビニの駐車場で昼食を買って車内で食べることもあり。
車で移動しながら昼食をとる事業所もあったりします。(休憩が休憩でなくなってしまうのでおすすめしません)
午後も引き続き訪問します。多くて5件回ることもあります。
後片付けや記録、翌日の準備をして退社します。
ぶっちゃけ定時で帰れることは少なく1日に30分程度の残業はあります。
訪問入浴介護で働くメリット
- 常に3人1組なので心強い
- 1人の利用者に集中することができる
- 他のサービスより感謝される度合いが高い
- 入浴に特化したサービスなので覚えることが少ない
- 夜勤がない
常に3人1組なので心強い
訪問入浴で働く一番のメリットは3人1組ということ。
1人の利用者さんに対して3人で介助するサービスは他にはありません。
なにかトラブルがおきても3人もいれば早く対処することが可能ですし、何より安心感がありますね。
他のサービスより感謝される度合いが高い
訪問入浴のサービスは他の介護サービスより感謝の度合いが高いです。
施設や、訪問介護の仕事って利用者さんが「やってもらってあたりまえ」になりがちなんです。
それはなぜか?
毎日あたりまえのように来て、あたりまえのように食事を作ったり身の回りのことをサポートしてくれるから。
訪問入浴のサービスは1回あたりの単価が高いこともありますが、毎日のサービスをうける人はいません。
入浴しなくても最悪の事態にはならないので、軽視されている部分もあります。
多い人で週に3回。
少ない人だと月に1,2回程度しかお風呂に入れない利用者さんもいるんです。
1番多いのは週に1回の利用者さんです。
本来、日本人にとって「入浴」は日常にかかせない大切な習慣ですよね。
自分だったら、週に1回しかお風呂に入れない
なんて耐えられません・・・
そんな週に1回しか入れないお風呂を、楽しみにしてくれている利用者さんがたくさんいるのです。
家族が寝たきりの高齢者を自宅のお風呂に入れるのは不可能。
体を拭く程度しかできません。
清潔は保てるかもしれませんが、入浴するのとはわけが違います。
初めて訪問入浴のサービスをうける人の中には「数年ぶりに入浴することができた」と涙をながす人もいるほど感謝されます。
入浴に特化したサービスなので覚えることが少ない
名前の通り「入浴」のみのサービスです。覚えることはもちろん「入浴」に関わることのみ。
職種によって覚えることは変わりますが、施設や他の介護サービスよりも少ないです。
求められる技術も多くありません。
夜勤がなく定休日などもあってワークライフバランスがとりやすい
介護や看護の仕事と言えば夜勤があって年中無休のイメージですよね。
私も昔はそうでした。
しかし訪問入浴の仕事は違います。
夜勤の仕事はないし、日曜日定休、シフト制で週2日の休みがとれます。年末年始も休みの事業所が多いです。
週1からでもOKの求人も多く自分にあった働き方ができます。
週1、週2で働く場合は曜日を固定して働くのがオススメ。
利用者さんは曜日固定の場合がほとんどなので覚えることが少なくてすみます。
訪問入浴で働くデメリット
- 介護職なのに介護の技術が身につかない(オペレーター)
- 常に誰かと一緒にいる
介護職なのに介護技術が身につかない(オペレーター)
ここでいう介護技術とはおむつ交換や食事の介助みたいな「介護の仕事といえばこれ!」といったものです。
オペレーターの業務内容は入浴車の運転や浴槽の設置などがメインです。
利用者さんに直接関わることは少ないので、介護技術はほとんど身につきません。
これはメリットでもありデメリットでもあります。
仕事に慣れてくると浴槽の設置や片付けが早くなって利用者さんに関われる時間が増えます。
看護師のお手伝いで利用者さんの体を支えたりする程度ですが、もっとも重要な介護の仕事をするにあたっての安心・安全を最優先にすることや、利用者さん1人1人によりそった介護をするといった技術・経験は得ることができます。
ちなみに私は介護職歴11年目ですがおむつ交換は1人でできないし、食事介助もやったことがありません。笑
常に誰かと一緒にいる
これはメリットにも書きましたが人によってはデメリットと感じる人もいます。
たまには1人になりたい・・・と思ってもトイレくらいしか1人になれる時間がないです。
その日のメンバーに苦手な人がいても1日一緒に仕事をしなきゃならないのは結構キツイかもしれません。
2人きりではなく3人1組なのでそこまでの気まずさはないですけどね。
訪問入浴介護の仕事に向いている人は?
- 人とコミュニケーションをとるのが好き
- 笑顔を見たい
- 体力に自信がある
人とコミュニケーションをとるのが好き
訪問入浴サービスは、お客様のお宅にお邪魔してサービスを提供させていただくものです。
利用者さんとはもちろん、ご家族との信頼関係が大切です。
コミュニケーションが第一ですよね✨
また、チームワークが必要な仕事なので、スタッフ間のコミュニケーションも必須です。
笑顔を見たい
訪問入浴は、介護サービスの中でも特に楽しみにされて、感謝されるサービスです。
お風呂が1番の楽しみ♪
ハァ〜気持ちよかった♪
さっぱりした♪
お風呂屋さんには本当に感謝しています♪
笑顔を見ると、自分も嬉しくなる!頑張れる!
そんな人は、訪問入浴の仕事にどっぷりハマってしまうかもしれません✨
体力に自信がある
訪問入浴サービスは、重い物品を運んだり、中腰の姿勢が多かったり、体力を消耗する仕事です。
特にオペレーターは体力勝負です。
雨に濡れることもあるし、大汗をかくので健康の自己管理がきちんとできる必要があります。
逆に向いていない人は?
- 潔癖症
- 体力に自信がない
- ひとりで仕事をするのが好き
潔癖症
はっきり言って、訪問入浴はきれいな仕事ではありません。
☑︎他人の家に上がることに抵抗がある
☑︎垢だらけの人に触れたくない
☑︎排泄処理がきらい
上記に当てはまる人は、苦痛なお仕事になります。
体力に自信がない
たくさんの荷物を運んだり、浴槽の設置や片付けをしたり、暑い中汗をかきながら入浴介助をしたり。
体力が必要な仕事です。
中腰の姿勢も多いので、もともと腰痛を持っている人には、きつい仕事になってしまうかも。
ひとりで仕事をするのが好き
訪問入浴はチームプレーが必要な仕事です。
自分のペースで、自分のやり方で、とマイペースに仕事をしたい人には向いていません。
訪問入浴って「きつい」?!
ネットの評判を見ていると、訪問入浴で働くのは「きつい」と書かれていることが多いです。
では、なにが「きつい」と言われるのでしょう?
☑︎体力的にきつい
☑︎衛生的にきつい
1日に6〜7件訪問します。
その都度、重たい物品を運んで、浴槽を設置して、利用者さんを移動して、入浴介助をします。
自宅なので、室温管理ができていなかったり、掃除が行き届いていない家もあります。
特に看護師の場合は、手袋なしでの入浴介助が衛生的に無理とする人も少なくないです。
このような点で「きつい」と言われています。
仕事に慣れれば、体力面は慣れてきます。
効率よく動けるようになって、ボディメカニクスをうまく使って省エネ運転できるようになります✨
衛生面は、もう価値観なのでどうしようもないです(笑)
もちろん感染症マニュアルに沿って予防はしますし、疥癬はしっかり防御します。
ある程度の皮膚感染症は、接触後すぐ感染確立するわけではないので、手洗いで予防することができます。
でも、派遣で訪問入浴を初めて経験した看護師さんが「きつい」と感じるのはここですもんね💦
大変なこともある訪問入浴ですが、やりがいと喜びの方が大きいです✨
訪問入浴サービスについて、イメージができたでしょうか?
この記事を読んで、少しでも訪問入浴に興味をもっていただけたら
嬉しいです!!
訪問入浴で働こう!!では、各職種についての疑問・悩みについてまとめています。
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